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  九州初のモササウルス類の化石について



 
九州初のモササウルス類の歯化石


絶滅海棲爬虫類モササウルス(イメージ)


経緯について 

平成10年10月に山田良二氏が当時天草郡龍ヶ岳町(現、上天草市龍ヶ岳町)の椚島で調査を行った際に歯の化石を発見し、保管されていました。この化石について、数年前に山田氏から当館学芸員に標本についての話があり、平成26年9月に当館に寄贈されました。その後、当館らで研究を進めた結果、絶滅海棲爬虫類のモササウルス類の歯化石であることが明らかとなり、九州初のモササウルス類の報告となることが判明しましたので、平成27年3月25日に当館において上天草市教育委員会と合同で発表を行いました。

産出について 
上天草市龍ヶ岳町椚島に分布する姫浦層群上部亜層群樋の島層(白亜紀後期:約8500万年前)から産出しました。浅海から深海へと流れ込んだ土砂からなる地層から発見されています。

特徴と同定について
歯根の大部分は欠損していますが、歯冠の部分が保存されています。標本の大きさは約10 mm、最大径は約8 mmです。歯冠部分の先端は大きくすり減っています。歯冠の表面には細い条線が縦に多数走っています。歯冠は二稜性(にりょうせい)の円錐(えんすい)状で、断面は上から見ると円に近い楕円形をしています。歯冠は歯冠中央部から先端に向けて急激に細くなり、かつ後方に強く曲っています。
これらの特徴から、この化石はモササウルス科の歯と同定されます。上下どちらのあごのものかはわかりせんが、下あごの歯ならば右の歯、上あごの歯ならば左の歯であったと考えられます。基底面中央部はドーム状にくぼんでいることから、生え替わりによって脱落した歯が化石化したものとみられます。歯冠の断面が円に近いこと、歯冠が後方やや舌側にわん曲すること、二稜性(にりょうせい)であること、歯冠の舌側の面には細かな条線が発達すること、条線が頬(ほお)側の面では発達しないことなどは、いずれもプリオプラテカルプス亜科の歯の特徴に一致します。

意義について
○ モササウルス科の化石としては九州で初めての報告です。国内でも最南(西)の産出です。
○ 特徴から見て(これまで国内で2点の報告しかない)プリオプラテカルプス亜科の歯とみられ、
  国内3例目の報告となります。
○ 姫浦層群の海棲動物相を明らかにする上でも重要な標本です。
○ 椚島は天草ジオパークのジオサイトで、その学術的重要性を裏付ける化石です。

公開について
 場 所: 天草市立御所浦白亜紀資料館 
 期 間: 平成27年3月27日(金)〜平成27年5月6日(水)
      ※ゴールデンウィーク期間(4月29日・5月2〜6日)には化石教室(当日参加受付)も開催します。

今後について
平成27年年3月発行の「御所浦白亜紀資料館報第16号」で、当館や発見者の山田氏らと共に学術報告を行っています。今後は、さらに詳細な標本の収集に努めると共に、詳しい分類について比較検討を行い、姫浦層群における海棲動物相を明らかにする必要があるため、天草ジオパーク推進協議会などと連携し、調査研究を進め、天草ジオパークのジオサイトとしての価値を高めると共に、現地の保護と活用についても連携し図っていきたいと考えています。



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